おはなしの入口  娘と読んだ絵本のはなし4 (1歳半~2歳ごろ)

 歩き始めたらまた大変よ~と周囲の先輩に耳打ちされていましたが、この時期は、はい、わたしもやはり大変でした。

 かわいくて、面白くて、楽しくてというときも、もちろんたくさんありましたが、ちょうどこのころ主人と離れて暮らしてたこともあり、目の離せない子どもをひとりで預かる責任に、なにかあったらどうしよう! と四六時中、よけいな心配をしていたような気がします。

 よってこのころ読んだ絵本のこと、じつはあまり記憶にないのですが、ひとつだけ覚えているのは、娘が林明子さん好きだと気づいたことです。

 前回紹介した『おつきさまこんばんは』でも、その片鱗は垣間見えていましたが、決定的になったのは、筒井頼子さん・作の『はじめてのおつかい』でした。
 まだ難しいかもと思いつつ図書館で借り、まずは文章をざっくり要約して読んであげたら、これが大ヒット。終わるやいなや、すかさずエンドレス・リピート体制で、返すときはひっくりかえって大泣きしました(祝・初の「返却拒否」)。
 その後に読んだ『ぼくはあるいたまっすぐまっすぐ』も強烈な「返却拒否」を受けたので、よほど好きだったのでしょう。

 そういえば、この時期、すこし難しいかな? と感じる(でも本人が好きそう&借りたいと云う)絵本は、まず話を要約して読んであげていました。
 たとえば『はじめてのおつかい』の最初のページは、おかあさんの絵を指さしながら「ひとりで、おつかい、いってくれる?」と云い、次は書いてある他の文章を読まずに、みいちゃんの絵を指さしながら「ひとりで!」といった具合にです。

 我が家の場合、ここでうまくいけば「つかみはOK」というわけで、案外すんなりとお話の世界に入ってくれました。

 と、たいへん過ぎて忘れていたと思っていたのに、こうやって書いているといろいろ思い出すものですねえ。ほんの少し前のことなのに、もう懐かしい。

絵本リスト
どの絵本もこの時期よく読んだものですが、この後も、何度もくり返しず~っと読んでいます(なかには5歳になった今でも大好きなものも)。なので月齢はあくまで参考程度に。

pb4a

『はじめてのおつかい』
筒井頼子・作 林明子・絵 福音館書店
赤ちゃんのお世話で忙しいママに頼まれて、近所の商店へ牛乳を買いに行くことになった5歳の「みいちゃん」。「ママのために」という重要(かつ小さな女の子が大好き)なミッションを胸に、さまざまな困難をクリアし、少し「おねえさん」になった自分になって帰ってくる。女の子の冒険小説としても読める内容が、林さんの温かく優しい、そして細かいところまで見事にこだわったかわいらしい絵で、さらに心躍るものになっています。お店の名前が作者の名をもじった「筒井商店」だったり、散りばめられたたくさんの遊び心にもノックアウト。
版元の本紹介ページ / Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

『ぼくはあるいたまっすぐまっすぐ』
マーガレット・ワイズ・ブラウン・作 坪井郁実・文 林明子・絵 ペンギン社
おばあちゃんに教えられた通り「まっすぐまっすぐ」、道でないところもただ「まっすぐ」歩いていく男の子。男の子と一緒に新しい「道」を作っていくような感覚が、なんともいえないのでしょうか。5歳になったいまでも、娘は男の子が歩く見えない道を、指でなぞっては楽しんでいます。花とかイチゴとか出てくるものがいちいちかわいらしいのもうれしい。
版元の本紹介ページ / Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

pb4b
『おいしいよ』
神沢利子・作 真島節子・絵 こぐま社
トマト、にんじん、おさかな、ぶどう、りんごにケーキにソフトクリーム! 「ぼくの すきなものは これと これ きみの すきなものは なあに」。動物たちがそれぞれ大好きな食べ物をおいしそーに食べるシーンに、「ごはん」を食べ始めた子どもたちもきっと興味津々。茶色×ピンク(アリのページ)、黒×緑(ネコのページ)といった、70年代っぽいパキッとおしゃれな色の組み合わせもすてき(初版は1973年)。わたしが持っているのは福音館書店から出ていたペーパーバック版ですが(写真上)、現在は同じ内容のものがこぐま社からハードカバーで出ています。
版元の本紹介ページ / Amazonページ(パソコン)
Amazonページ(モバイル)

『どうぶつたちのおかいもの』
渡辺茂男・作 太田大八・絵 福音館書店
昭和の香りただよう商店街に、動物園の動物たちがなにやらお買い物にきた様子。紙屋で千代紙を買うヤギに、お煎餅屋さんでせんべいをみつくろうロバ…でもいったい何のための買い物? 家族で商店街へ行くことがハレの日の行事だったあの時代の、店によってガラリと変わる匂いまでもが感じられるような、太田さんのモダンで厚みのある絵がすばらしい。親も子も(もしかしたら、おじいちゃんおばあちゃんも)楽しめそうな、一冊で何度もおいしい絵本です。2014年にめでたく復刊したようで、現在はハードカバー版が入手可(写真はソフトカバー版)。
版元の本紹介ページ / Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

pb4c
『おはようミケット』
パトリス・アイスプ・作 やまぐちともこ・訳 福音館書店
広い子ども部屋に散らばる、たくさんの人形とおもちゃ。細いガラス窓の向こうには、いかにも外国風な屋根並みが広がり、朝食はココアにミルクにパンにジャム! パリに住む女の子とぬいぐるみの黒猫「ミケット」の一日を描いたこの絵本は、頭からしっぽまで限りなく華やかで明るくときに大胆な「外国」で、その強烈な異国感に、昭和の女の子だったわたしは衝撃を受けました。娘もこまごまとしたキュートな小物や、派手な色遣いが印象的なようで、この絵本はなぜかずっとお気に入りです。1979年初版の本で、現在、版元にはバックナンバーがなく、古本のみで入手可のよう。
版元の本紹介ページ(現在バックナンバーの在庫なし) /
Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

『いちご』
平山和子・作 福音館書店
まだスプーンやフォークが上手に使えないちいさな子は、手づかみで食べられるものが大好き。可愛くておいしい「いちご」は、なかでもその筆頭。あたたかい春が来て、緑色のいちごの実がなり、少しずつ赤くなり「さあ どうぞ」「あまいですよ。さあ どうぞ」とあちこちからうれしい声がかかるページ。娘も絵本のイチゴを大急ぎでエア採りし、両手でぱくぱくとエア食べし、最後は「おかーあさんもー」とたくさん採ってくれました(エアで)。リアルで温かみのある平山さんのイチゴは、ほんとうにおいしそう! 見ているだけでしあわせな気分になります。

版元の本紹介ページ / Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)