カテゴリー: 絵本

図書館通い  娘と読んだ絵本のはなし5 (2歳~2歳半ごろ)

pb5 前にも書きましたが、娘がちょうど2歳になったあたりで、私たち家族は今の家に越してきました。

 その後、通い始めた図書館は、おもに4館(プラス、たまに利用が2館)。
 週に二三度、いま思うと、ちょっとどうかしてるくらいの頻度で、せっせと通っていました。

 人生でマックスの図書館通い(借りるのはほぼ絵本のみ)で改めて気づいたのが、図書館によって「つい借りてしまう本」がずいぶん違うということでした。

 たとえば『かみのけちょっきん』は隣町の図書館借りることの多かった本ですし、『ふわふわくんとアルフレッド』は、わが町の図書館でしか借りたことのない絵本でした。
 逆にいつもの本を違う図書館で探そうとすると、在庫があるはずなのになかなか見つけられず、あきらめることもよくありました。

 おそらく各館で微妙に違う「棚の作り方」が原因だったのでしょう。「棚」が大事、というのは、これまでもなんとなく分かっていたはずでしたが、こんなにも! と身をもって知ったのは初めてでした。

この時期よく読んでいた絵本リスト
頻繁な図書館通いのおかげで、この時期から読む冊数がどどーんと増えました。そのためリストもすこし長めです。
※どの絵本もこの時期よく読んだものですが、この後も、何度もくり返しず~っと読んでいます(なかには5歳になった今でも大好きなものも)。なので月齢はあくまで参考程度に。

pb5_4a

『ぞうくんのおみまい』
おぼ まこと・作 福音館書店
病気になったおばあさんのお見舞いにリンゴを持って家を出た「ぞうくん」。友だちと町へ行くバスに乗ろうとしたけれど、あらら、やってきたバスはなんと満員! 襲い掛かる災難(と空腹)に耐えながらがんばる「ぞうくん」の姿に子どもたちもドキドキそわそわ。冒険気分を満喫できます。うさぎの女の子のワンピース(ひざ上)がサイケな水玉模様だったたり、おばあさんのお布団が総☆模様だったり、はじける70年代パワー(初版は1975年)もたまりません。

現在版元品切れ(絶版)のため情報ページがありませんでした / Amazonページ(パソコン)
/ Amazonページ(モバイル)

『コッコさんおはよう』(コッコさんシリーズ)
片山健・作 福音館書店
コッコさんが眠っているうちに、「そおっと」やってきて「ゆっくり ゆっくり」、しかし着実に、空を、犬を、林の鳥を静かに起こしていく「朝」。淡い水彩のにじみから生まれる豊かでしあわせな「子ども時代」が画面じゅうできらきらと微笑んでいるような、なんともいえない幸福感に充たされる一冊です。他のコッコさんシリーズは正方形に近い「こどものとも年少版」ですが、これは縦長の「こどものとも年中版」。シリーズのなかで(いまのところ)唯一ハードカバーになっていない本でもあります。
版元の本紹介ページ / Amazonは現在この本を扱っていないようです。他のコッコさんシリーズはこちら(パソコン)

『ふわふわくんとアルフレッド』(岩波の子どもの本)
ドロシー・マリノ・作 石井桃子・訳 岩波書店
表紙の男の子の名前は「アルフレッド」。その後ろでソファーに座っているクマのぬいぐるみが「ふわふわくん」。ふたりは何をするにも一緒の仲良し(つまりラブラブ)。ところがある日、アルフレッドのもとに新しいトラのおもちゃ「しまくん」がやってきて…。目新しいコ(しまくん)の登場で、古女房(ふわふわくん)との関係がガラリと変わるという、古くて新しい永遠の三角関係が、すばらしくキュートな絵で気持ちいいくらいさっくりと描かれています。男子は「モノ」に、女子は「関係」に惹かれる傾向があるといいますが、うちの娘も「関係」を描いたこの絵本がびっくりするくらい大好きで、何かにつかれたように何度も読んで欲しがりました…。
版元の本紹介ページ(現在品切れ) / Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

『どこでおひるねしようかな』
岸田衿子・文 山脇百合子・絵 福音館書店
お弁当を食べてお腹いっぱいになった動物たちが、それぞれすてきな「おひるね場所」を探し、うとうととしあわせな眠りに入るまでを描いた一冊。「ほんの すこし あかるくて すこし くらくて しずかでね きもちのいい かぜ ふくところ」。岸田衿子さんのゆっっったりとした文章と、山脇百合子さんのやさしい絵が、「おひるね」の時間を明るく包みこみます。この時期の娘は、おひるねの前はいつもこの本でした。
版元の本紹介ページ / Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

pb5_3

『クリスマスのふしぎなはこ』
長谷川摂子・文 斉藤俊行・絵 福音館書店
クリスマスの朝、「ぼく」が縁側の下で見つけたちいさな木箱。そっとあけてみると「あっ、サンタさんがいる」。プレゼントが楽しみ過ぎる「ぼく」と、「ぼく」の町に少しずつ近づいてくるサンタさん。時間の経過とともに高まる期待が、見開きごとに描かれる「ぼく」とサンタさんのおかげで、さらに盛り上がるものになっています。タンスや障子のある家、クリスマスケーキを食べながら日本酒で晩酌するお父さんなど、マットな色合いで描かれた、へんに外国っぽくない「日本の正しいクリスマス」も、この絵本が持つ独特の味わいに一役買っているよう。
版元の本紹介ページ / Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

『トンガのきいちごつみ』
広野多珂子・作 ひさかたチャイルド
タンポポを摘んだり、赤い実を採ったり。散歩に出ても驚くほど進まない、この時期の子どもたち。低い目線のおかげで、いろいろなものが大人より大きく、そして興味深く見えてしまうのでしょうか。ヘビに出会ったり、キツネに襲われたり。ちいさな体でひとり(一匹?)、キイチゴを摘みに出かける子ネズミ・トンガの冒険は、そんな子どもたちにぴったり。トンガのミニ・サイズにあわせて、大きくかつリアルに描かれた春の草花にもうっとりします。
版元の本紹介ページ(現在、版元品切れ) / Amazonページ(パソコン)
/ Amazonページ(モバイル)

『やまのディスコ』
スズキコージ・作 架空社
オープンしたばかりの「やまのディスコ」に出かけた、「しろうまのみねこさん」(表紙向かって左)と「やぎのさんきちくん」(同、右)。こっくりとした色合いで描かれた、たくさんの動物たちが繰り広げるお話は、すばらしく面白くでもどこか不思議な夢のようで、これぞめくるめくスズキコージ・ワールド。「くりのみ じゅっこ」とか「どぎまぎしていると」とか、思わずクスリと笑ってしまう言葉もすてき。
版元ホームページは(なんと男前なことに!)ないようです / Amazonページ(パソコン)
/ Amazonページ(モバイル)

pb5_2a

『かえりみち』
あまんきみこ・作 西巻茅子・絵 童心社
あまんきみこさんの文章は、いつだってちょっぴり古風でやさしくって上品で、すてきに女の子っぽい「女学生」のよう。この絵本は、そのあまんさんのお話に、これまた女の子らしい西巻茅子さんの絵がそえられた、とても可愛らしい迷子さんたちの物語。かえりみちを探して泣くちいさい子さんたちの「あーん」という声や、「にこっ」と笑う「こぎつね」に、「くくっ」と笑う「こうさぎ」。読んでいてつい「にっこり」してしまうあまんきみこ節が楽しめます。わたしはこの本のお母さんが着ている水色のワンピースが憧れで、いつかこんな服が似合う女の人になりたいものだ、とよく思います。
版元の本紹介ページ / Amazonページ(パソコン)
/ Amazonページ(モバイル)
(わたしの持っている本(2013年重刷)より、図書館で借りた初版(1979年)のほうが印刷の色がきれいなので、西巻さんのモダンな色遣いをより味わいたい方は、初版を一度見てみるのもいいかもしれません)

『かみのけちょっきん』
松竹いね子・作  織茂恭子・絵 福音館書店
「じょき じょき しゃき しゃき ちょき ちょき ちょっきん」。この本の「みきちゃん」と同じく子どもの髪は「おかあさん美容室」で、というご家庭、多いのではないでしょうか(うちもそうです)。長く伸びた髪がさっぱりしていく様子が面白いのか、それとも散髪を嫌がる「みきちゃん」に感じるところがあったのか、この本もこの時期なぜかよく読んで欲しがりました。輪郭のはっきりした切り紙のような絵と、リズミカルなハサミの音が見事なハーモニーを奏でる、目と耳に残る絵本でもあります。
版元の本紹介ページ(現在、バックナンバーの在庫なし) / Amazonページ(パソコン)
/ Amazonページ(モバイル)

『ほら、きのこが……』(たくさんのふしぎ傑作集)
越智典子・文 伊沢正名・写真 福音館書店
白い網をかぶったキノコ、闇夜に光るキノコ、ハート型のキノコ、キノコ、キノコ…いろーんなキノコがたっぷりごっそり楽しめる写真絵本。けむりのような胞子を「プフォウ…」と吹き出す「ツチグリ」や、一晩で溶ける「ヒトヨタケ」なんて不思議なキノコの写真も。我が家では一通り読んだ後、裏表紙に並んだキノコの写真を眺めながら、本文のどこにそのキノコがいるのか探す「キノコ探し」をして楽しんでいました。しかし普通の家の柱(たぶん)からにょきっと生えた立派な「マツオウジ」にはびっくり! 衝撃の写真です…。
版元の本紹介ページ(現在品切れ) / Amazonページ(パソコン)
/ Amazonページ(モバイル)

『ぐりとぐらとすみれちゃん』
なかがわりえこ・作 やまわきゆりこ・絵 福音館書店
とってもかわいらしい女の子「すみれちゃん」が登場する、ぐりとぐらシリーズの記念すべき第6作目!(パチパチ)このすみれちゃん、なんと大きなかぼちゃを入れたリュックをしょって、ぐりとぐらのところへやってきます。すみれちゃんの可憐なワンピース、ぐりとぐらの家の壁にさりげなく飾られたリースなど、改めて読むぐりとぐらは普通におしゃれでかわいくて、簡単な内容なのに面白くて中身ぎっしりで、ああ、ほんとうにさすがの名作です。「あまい ぽくぽくの かぼちゃ」が大好きな娘は、かぼちゃのごちそうが並ぶシーンにもくぎづけでした。
版元の本紹介ページ / Amazonページ(パソコン)
/ Amazonページ(モバイル)

pb5_1b

『わらって わにさん』
水野翠・作 福音館書店
いつも元気な「わにさん」が泣いている! それを見た「にわとり」は、「わにさん」を元気づけようと、「りす」「すかんく」「くま」「まんとひひ」(並べるとしりとりに!)を誘って、「わにさん」をなぐさめに出かけます。「わらって わにさん / わらって わにさん / わにさん わらってよー」…♪「にわとり」が「わにさん」のために作ったこの歌を、娘はしょげているわたしによく歌ってくれました(「わにさん」を「かあさん」に変えて)。笑ったり、泣いたり、なぐさめたり。お友だちとのやりとりがなんとなく分かってきたこの時期の子どもたちにおすすめの一冊でもあります。
版元の本紹介ページ(現在、バックナンバーの在庫は品切れ) / 現在、Amazonにも登録なし

『ちょっとかして』
きのしたあつこ・作 偕成社
おもちゃの飛行機でも、ヨットでも、むしとりあみでも、なんでも弟より「いいもの」を持っているお兄ちゃん。「ねえ、ちょっとかして」と弟が云っても、お兄ちゃんはいつも「だめ、ちびはそれでいいんだよ」。そんな弟の前にちいさなカエルが現れて……。 まだまだおもちゃの取り合いが多いこの年頃の子どもたちにとって「かして」は魔法の言葉。その言葉をめぐる、だれもが持っている葛藤(と欲望)が、色数の少ないちょっぴり外国っぽい絵で淡々と、でもどこかコミカルに描かれています。ミニサイズの判型もまたコンパクトで好ましい。
古い本(1979年初版)のせいか版元の本紹介ページなし / Amazonページ(パソコン)
/ Amazonページ(モバイル)

おはなしの入口  娘と読んだ絵本のはなし4 (1歳半~2歳ごろ)

pb4a

『はじめてのおつかい』
筒井頼子・作 林明子・絵 福音館書店
赤ちゃんのお世話で忙しいママに頼まれて、近所の商店へ牛乳を買いに行くことになった5歳の「みいちゃん」。「ママのために」という重要(かつ小さな女の子が大好き)なミッションを胸に、さまざまな困難をクリアし、少し「おねえさん」になった自分になって帰ってくる。女の子の冒険小説としても読める内容が、林さんの温かく優しい、そして細かいところまで見事にこだわったかわいらしい絵で、さらに心躍るものになっています。お店の名前が作者の名をもじった「筒井商店」だったり、散りばめられたたくさんの遊び心にもノックアウト。
版元の本紹介ページ / Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

『ぼくはあるいたまっすぐまっすぐ』
マーガレット・ワイズ・ブラウン・作 坪井郁実・文 林明子・絵 ペンギン社
おばあちゃんに教えられた通り「まっすぐまっすぐ」、道でないところもただ「まっすぐ」歩いていく男の子。男の子と一緒に新しい「道」を作っていくような感覚が、なんともいえないのでしょうか。5歳になったいまでも、娘は男の子が歩く見えない道を、指でなぞっては楽しんでいます。花とかイチゴとか出てくるものがいちいちかわいらしいのもうれしい。
版元の本紹介ページ / Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

pb4b
『おいしいよ』
神沢利子・作 真島節子・絵 こぐま社
トマト、にんじん、おさかな、ぶどう、りんごにケーキにソフトクリーム! 「ぼくの すきなものは これと これ きみの すきなものは なあに」。動物たちがそれぞれ大好きな食べ物をおいしそーに食べるシーンに、「ごはん」を食べ始めた子どもたちもきっと興味津々。茶色×ピンク(アリのページ)、黒×緑(ネコのページ)といった、70年代っぽいパキッとおしゃれな色の組み合わせもすてき(初版は1973年)。わたしが持っているのは福音館書店から出ていたペーパーバック版ですが(写真上)、現在は同じ内容のものがこぐま社からハードカバーで出ています。
版元の本紹介ページ / Amazonページ(パソコン)
Amazonページ(モバイル)

『どうぶつたちのおかいもの』
渡辺茂男・作 太田大八・絵 福音館書店
昭和の香りただよう商店街に、動物園の動物たちがなにやらお買い物にきた様子。紙屋で千代紙を買うヤギに、お煎餅屋さんでせんべいをみつくろうロバ…でもいったい何のための買い物? 家族で商店街へ行くことがハレの日の行事だったあの時代の、店によってガラリと変わる匂いまでもが感じられるような、太田さんのモダンで厚みのある絵がすばらしい。親も子も(もしかしたら、おじいちゃんおばあちゃんも)楽しめそうな、一冊で何度もおいしい絵本です。2014年にめでたく復刊したようで、現在はハードカバー版が入手可(写真はソフトカバー版)。
版元の本紹介ページ / Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

pb4c
『おはようミケット』
パトリス・アイスプ・作 やまぐちともこ・訳 福音館書店
広い子ども部屋に散らばる、たくさんの人形とおもちゃ。細いガラス窓の向こうには、いかにも外国風な屋根並みが広がり、朝食はココアにミルクにパンにジャム! パリに住む女の子とぬいぐるみの黒猫「ミケット」の一日を描いたこの絵本は、頭からしっぽまで限りなく華やかで明るくときに大胆な「外国」で、その強烈な異国感に、昭和の女の子だったわたしは衝撃を受けました。娘もこまごまとしたキュートな小物や、派手な色遣いが印象的なようで、この絵本はなぜかずっとお気に入りです。1979年初版の本で、現在、版元にはバックナンバーがなく、古本のみで入手可のよう。
版元の本紹介ページ(現在バックナンバーの在庫なし) /
Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

『いちご』
平山和子・作 福音館書店
まだスプーンやフォークが上手に使えないちいさな子は、手づかみで食べられるものが大好き。可愛くておいしい「いちご」は、なかでもその筆頭。あたたかい春が来て、緑色のいちごの実がなり、少しずつ赤くなり「さあ どうぞ」「あまいですよ。さあ どうぞ」とあちこちからうれしい声がかかるページ。娘も絵本のイチゴを大急ぎでエア採りし、両手でぱくぱくとエア食べし、最後は「おかーあさんもー」とたくさん採ってくれました(エアで)。リアルで温かみのある平山さんのイチゴは、ほんとうにおいしそう! 見ているだけでしあわせな気分になります。

版元の本紹介ページ / Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

寝る前に  娘と読んだ絵本のはなし3 (1歳~1歳半ごろ)

pbok3fs 一歳を過ぎたころから日に二三度だった娘のお昼寝が、一度にまとまってきました。同時に寝かしつけも延々抱っこから、歌をうたっての添い寝(で、添い乳ナシ)に少しずつ変えていった覚えがあります。

 いわゆる“子守歌大作戦”となったなわけですが、当時のわたしには手持ちの武器(歌える歌)が、それほどありませんでした。

 そこで昔ながらの童謡を集めた絵本を探したのですが、残念なことにいい本がなかなか見つかりません。絵が少しばかり甘いアニメ風だったり、歌がずいぶん少なかったり……。ありそうでなかったのですね。

 『いっしょにうたって!』『いっぱいうたって!』は、そんなとき偶然知った絵本でした。誰もが知っている、でも歌詞をみないとなかなか歌えない童謡がたっぷり入っていて、真島節子さんの絵も上品でとても愛らしい。避難先の図書館で借りていっぺんで気に入り、すぐに本屋さんで注文しました。

 それからほぼ毎日、この二冊には、ほ・ん・と・う・にお世話になりました。
 使い過ぎてページはぼろぼろ、テープであちこち補修もしてありますが、道ばたでアリを見つけては歌い、お散歩でこいのぼりを見あげては歌い、寝かしつけ以外にもフル活用。いろいろな思い出が詰まった、文字通り手放せない本になりました。

絵本リスト
どの絵本もこの時期よく読んだものですが、この後も、何度もくり返しず~っと読んでいます(なかには5歳になった今でもときどき読んでいるものも)。なので月齢はあくまで参考程度に。

pbok3a

『いっしょにうたって!』『いっぱいうたって!』(たのしいうたの絵本)
真島節子:絵 こぐま社
「20年前も、いまも、うたわれていて、そして、20年後もうたわれているだろう歌」をそれぞれ29曲づつ収録した歌の絵本。「小さい秋」「くつが鳴る」「あかとんぼ」「春が来た」「汽車ポッポ」「あめふりくまのこ」「こぎつね」などなど、誰もが一度は聞いたこと&歌ったことのある(でも、いざ歌えといわれてもなかなか正確には歌えない)歌の数々が、やさしく朗らかな真島節子さんの絵とともに収められています。子どもと歌いながら日本の豊かな四季を素直に寿げるのもうれしい。簡単な楽譜もついています。
『いっしょにうたって!』
版元の本紹介ページ(収録曲リスト有) / Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)
『いっぱいうたって!』
版元の本紹介ページ(収録曲リスト有) / Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

 
pbok3b

『おつきさまこっちむいて』(ふしぎなたねシリーズ)
片山令子:文 片山健:絵 福音館書店
ちいさな子はお月さまを見つけるのがほんとうに大好き。大人は慣れてしまって何とも思いませんが、空にあんなものが浮かんでいるなんて(そして光ってるなんて!)、思えばすてきなことですよね。三日月、半月、雲間の月…。どのページにもちゃーんとあるお月さまが、そんな子どもの驚きと喜びをしっかりと充たしてくれるようです。またお月さまを見上げる「ぼく」の横にきまってお父さん、お母さんが描かれているのもうれしい。ほとんどの子どもにとって「お月さまの時間」=夜は、大好きな家族との時間でもありますから。
版元の本紹介ページ
Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

『おつきさまこんばんは』
林明子:作 福音館書店
暗い空にお月さまが、少しずつすこしずつのぼってきて…。雲に隠れたお月さまが再び現れ、にっこりとまあるく笑うシーン。娘も一緒になっていつも幸せそうに笑っていました。細部まで磨きあげられた端正な絵、すっと頭に入ってくるやわらかで優しい言葉。上記の『おつきさまこっちむいて』と同じく、初めて「月」というものを知って以来、重度の月マニアになった娘が、とくに気に入っていた名作「お月さま絵本」です。
版元の本紹介ページ
Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

pbok3c

『こやぎがめえめえ』(0.1.2えほん)
田島征三:作 福音館書店
「めええ」とないたり、「ぴょん」と跳ねたり、「ぽろぽろ」とうんち(!)をしたり元気いっぱいに遊ぶ、ちいさな「こやぎ」。勢いのある田島さんの筆使いも心地よく、読んでいるとこちらまで開放的な気分になってきます。我が家ではこやぎが転ぶページで、「すってん」と一緒に転ぶマネをするのが“お約束”でした。最後のページが「おっぱいを ちゅう ちゅう」というのも、満足感があっていいのでしょうねえ。
版元の本紹介ページ
Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

『だるまさんが』
かがくいひろし:作 ブロンズ新社
ご存知、大人気絵本「だるまさん」シリーズ。娘もやっぱり好きで、「どてっ」では転び、「ぷしゅー」では小さくなり、「ぷっ」ではおならをしたマネをして、全身で堪能していました。一度、ちいさな甥っ子たちに読んであげたときは、それぞれが転んだり、伸びたり、それはもう大騒ぎ。でも最後の「にこっ」で、笑い顔いくつも並んだのには、思わずこちらも「にこっ」。どんな子どもにもヒットするだろう守備範囲の広ーい絵本ゆえ、プレゼントにもおすすめです。
版元の本紹介ページ
Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

『たかーいたかい』
いしなべふさこ:作 偕成社
「ぼくのほうが たかいよ」と、椅子に登り、さらには机にあがっていってしまう男の子。なにかに登れば自動的に背が高くなる、という子どもがよくやる「身長のかさ上げ行為」が、かわいらしいイラストでテンポよく描かれています。シンプルな展開ときれいな色あいのせいか、わたしもちいさいころなぜかこの絵本が好きでした。正方形に近いミニ・サイズの厚紙製。
現在、版元品切れ(絶版)のため版元の本紹介ページがなくAmazonにも(今のところ)在庫がないようです

おうちになる  娘と読んだ絵本のはなし2 (6ヶ月~1歳ごろ)

pb2_s630
娘が八か月のときに東日本大震災が起きました。
 震災の翌日、福島県郡山市を出た私たちは、絵本を一冊も持っていくことができませんでした。

『きんぎょがにげた』『MEET COLORS』は、その後、三か月ほど続いた居候生活の間に買った絵本です。
 久しぶりの絵本に声を出して喜ぶ娘の姿に、しばらく忘れていた穏やかな「日常」が戻ってきたようで、心底ホッとしたような覚えがあります。
 
 子どもを膝に乗せ(または並んで仰向けになり)絵本を読み始めると、そこがすこしだけ落ちついた「おうち」になる。そんな絵本の効果を感じた六冊でもありました。

絵本リスト
どの絵本もこの時期よく読んだものですが、この後も、何度もくり返しず~っと読んでいます(なかには5歳になった今でもときどき読んでいるものも)。なので月齢はあくまで参考程度に。

pb2b_s500d

『きんぎょがにげた』
五味太郎:作 福音館書店
金魚鉢からぴょ~んと逃げ出した、まあるい金魚。さてさて、お部屋のどこに隠れてる? 五味太郎さんらしいくっきりとした色と線、そして大人から見るとかなり丸見えな金魚の隠れっぷりが、子どもたちのハートをつかんで離さない人気のポイントでしょう。逃げた金魚を指さして教えるときの達成感も○なようです。
版元の本紹介ページ
Amazonページ

『MEET COLORS』(LITTLE EYS2)
駒形克己:作 偕成社
グラフィック・デザイナー駒形克己さんによる「0歳からの幼児のためのカード絵本」「LITTLE EYE」シリーズの2。丸、三角、四角の穴が開けられた三つ折りのカードを広げると、ぱっぱっぱっといろんな色や大きさの形が魔法のように現れます。カードを手で広げるというアナログなプロセスも、子どもにとっては楽しいのでしょうね(破れにくく、手も切れにくい特別な紙で作ってあるので、ちいさな子どもにも安心です)。箱入り12枚セット。
版元の本紹介ページ
Amazonページ

pb2c_s600a


『おやすみなさいおつきさま』
マーガレット・ワイズ・ブラウン:作、クレメント・ハード:絵 瀬田貞二:訳 評論社
壁がみどりで、床がピンクの大きなお部屋。赤い風船が天井に浮かび、壁には赤々と燃える暖炉が。その部屋でベッドに入る、ちいさな子ウサギ。「おやすみ あかいふうせん」「おやすみ おへや」。ゆっくりと流れていく「時」に浸されるような不思議な温かさを持つアメリカ生まれの名作絵本です。
版元ページ(個別の本紹介ページはないようです)
Amazonページ

『どうぶつのおやこ』
薮内正幸:画 福音館書店
ほんものそっくりの動物の親子の絵が並ぶ、字のない絵本。「この赤ちゃん、なんていってるのかな?」と親子で考えてみたり、勝手にセリフをつけて読んでみたり。何度も読むうちに自然とその家だけの「どうぶつのおやこ」ができあがる。そんな包容力のある一冊でもあります。ちなみに我が家では、絵本にでてくる動物の親子のマネを実際にしてみる、というのをよくやっていました(娘が動物の子ども役で、私たちはもちろん親役)。
版元の本紹介ページ
Amazonページ

『ほっぺほっぺほっぺ』
内田麟太郎:作、長野ヒデ子:絵 童心社
表紙のかわいい女の子は「さっちゃん」。このさっちゃんが、タコ、おばけカボチャ、ワニ、山(!?)などいろんなものに抱きつき、次々と「ほっぺ ほっぺ」していきます。読みながら、また読んだあと、親子で「ほっぺほっぺ」し合うのもまた楽しい。子ども時代にしか味わえない、スキンシップのしあわせをぜひどうぞ。
版元の本紹介ページ
Amazonページ

『ととけっこう よがあけた』(わらべうたえほん)
小林衛己子:案、真島節子:絵 こぐま社
ニワトリの「こっこさん」が、「ととけっこう よがあけた まめでっぽう おきてきな」でおなじみのわらべうたをうたいながら、動物たちを元気よく起こしていきます。奥付で作者の小林さんがおすすめしているように、我が家でもお昼寝のとき「ととけっこう よがあけた ○○ちゃん おきてきな」と子どもの名前を入れて起こす、というのをよくやっていました。
版元ページ
Amazonページ

「森の花嫁」

15_05_15b
15_05_15c
15_05_15d

「森の花嫁」という昔話を読みました。
読み聞かせのための冊子『おはなしのろうそく 2』に入っているお話で、フィンランドの昔話らしいのですが、これがもうすばらしく女子目線でとてもおもしろかったです。

お話はお百姓の父親が、三人の息子にそれぞれ花嫁を連れてくるよう命じるところから始まります。倒した木が指し示す方角に導かれ、上の二人は農場で許嫁を見つけますが、森に向かった一番下の息子が出会ったのは、なんと小さなネズミでした。
「お前なんか数のうちに入らないよ。ただのネズミだからな」
という息子に、ネズミは云います。
「私を花嫁にするのよ」

「ヒトではない」という、ある意味、究極の「容姿」を持った、異形の花嫁の物語は、世界各地に伝わっています(我が国でいうと「鉢かづき姫」でしょうか)。
蛙だったり、ネズミだったり、姿かたちは話によっていろいろですが、どの話にも共通しているのは、「どんな姿(容姿)でも構わない」と甘くささやくヒーローの存在です。

「森の花嫁」でもそれはやはり変わりません。
下の息子は森で会った小さなネズミを、その美しい歌声から花嫁にしてもいいと(あっさり)思い決めます。そして父親が許嫁を見たいと云った時も、
「いいさ、笑われたって。あいつは、今まで立派に俺の許婚の役を果たしてくれたんだ。俺だって、あいつのことを恥ずかしいなんて思うまい」
とキッパリ断言するのです。

おまけに父親に会うために家を出たネズミが、予期せぬ出来事によって川に落ちたときも、
「ああ、可哀想に! 溺れてしまって……。(中略)俺はほんとにお前が好きだった……。お前のほか、一体誰を花嫁にすればいいんだ……」
と、ホッとするどころか本気で悲しんでくれるのです。
どんなに気立てがよかろうが、家事能力が高かろうが、ネズミと結婚、といわれて了解する男など、現実社会ではほぼ皆無だろうにすばらしい。
筋金入りの「中身重視派」なのです。

もちろん最後は、許嫁のネズミは悪い魔法にかかった王女だった、というオチで、息子は「世にも美しい」妻と王国(冨)を同時に手に入れるわけですが、それさえも「どんな姿でもいいと云った息子へのご褒美」のようで、この話ぜんたいが、容姿にとらわれる男子への女子的呪いのようでもあります。

でもしかし。そもそもの話、世界中にある異形の花嫁の話って、いったい誰が作ったのでしょうねえ。男の人ではなさそうだ、と思ってしまうのは、わたしだけでしょうか。

 「森の花嫁」『おはなしのろうそく 2』東京子ども図書館編 大社玲子さし絵

短い童話や民話、手遊びなどを集めた、主に読み聞かせのための薄くて小さい冊子で、1~30まで刊行されています。 収録リストなどは、公益財団法人 東京子ども図書館「おはなしのろうそく」。

31日(Fri) モモちゃんとアカネちゃん

寝る前は本の時間という方、とくにちいさなお子さんのいるご家庭では、結構、多いのではないでしょうか。我が家でも、ご多分にもれず消灯前は読書(というか読み聞かせ)の時間。
本を選ぶのは子どもの役目で、同じ本ばかりを持ってくる時期もあれば、 読んだことのない本ばかりを選ぶ時期もあります。
その娘が、ここ最近、はまっているのが「モモちゃんとアカネちゃんシリーズ」です。

「モモちゃんとアカネちゃんシリーズ」は、ご存じの通り、松谷みよ子さんによる児童文学の名作です。
『ちいさいモモちゃん』から『アカネちゃんのなみだの海』まで、ぜんぶで六巻あり、最終巻が出たのはなんと1992年。完結まで三十年かかった長期シリーズだそうで、お話のなかのモモちゃんも、最後は中学生のおねえさんになっています。

じつは、このシリーズ、わたしも小学生低学年のころ、おそらく三巻あたりまで読んだことがありました。
パパとママが離婚したり、ママのところに死神がきたり。作者である松谷さんが、自らの家庭をモデルに記したというお話のなかには、児童書にしてはなかなかハードな内容も多分に含まれ、最初は4歳児にこれが分るのか? と、案じながら読み進めていたのですが、そこはやはり名作でした。
「次はなんのお話かねえ?」
分っているのか分っていないのか不明ながら、当の本人はいたく気にいったようで、毎晩、熱心に読んでくれとせがんできます。

しかし自分が子どものころに読んだ児童書を、大人になり、親になってからもう一度読むというのは、なんだかとても変な感じですねえ。
たとえば、ママの帰宅が遅くなりモモちゃんが怒り狂うシーン(モモちゃんのママは「お仕事ママ」なのです)、はたまた水ぼうそうになったモモちゃんがキュウリの「いぼいぼ」にお薬代わりの糊を塗ってしまう場面。
読んでいるわたしの気持ちは、昔読んだ時のようにモモちゃんの「怒り」や「喜び」に大きく共感する一方で、そんなモモちゃんの様子に「つらい」とか「困った」と感じる親の気持ちにも強く傾きます。
それはまるで、一つのシーンを違う角度から撮った二重写しの映画を観るようで、いったいどちらに焦点をあてて観ればいいのか。なんだかどうも混乱するのです。

そういえば、わたしが子どもを産むはるか前のこと。なんのきっかけでそうなったのか、実家の母と映画館で「千と千尋の神隠し」を観たことがありました。
たしか映画が始まってすぐでした。ふと横を見ると、母が泣いてました。豚になったお父さんとお母さんにショックを受けた千尋が、泣きながらおむすびを食べるシーンだったと思います。
そのシーンを、これから始まる冒険の幕開けとして胸躍らせて観ていたわたしは、突然泣き出した母に、いたく困惑しました。「あ、あの、ちょっと、なに?」と、よく分らないところ(とその時は思った)で泣く母を恥ずかしく思ったことを覚えています。

一度持つと、なかなか外せない。そういう意味で「親としてのレンズ」を持つことが、良いことか悪いことなのかは、正直、わたしにはよく分りません。
でもこのレンズのおかげで、以前は気がつかなかった感情および視点を知ったこともまた事実です。たぶんいまのわたしは、千尋が泣きじゃくるあのシーンで、あの時の母と同じように泣いてしまうことでしょう。

さて、一巻から少しずつ読み進めてきたシリーズも、来週、いよいよ最終巻に突入します。巻末についているあらすじ紹介によりますと、どうやら最終巻『アカネちゃんのなみだの海』で、モモちゃんとアカネちゃんのパパが死んでしまうようです。
ああ、わたしは冷静に読めるのでしょうか。読みたいものです。

 『ちいさいモモちゃん』他、全六冊 松谷みよ子 講談社

文中、ひんぱんに出てくる「もうせん」という言葉は、「ずっと前」「以前」という意味の東京言葉なのだとか。「モモちゃんとアカネちゃんシリーズ」は、いろんな版型で出されていますが、我が家では読み聞かせ対応として、寝転がって読んでも重くない、文庫および新書サイズの「青い鳥文庫」で揃えています(上画像は旧版の文庫で、現在は酒井駒子さん挿画の新版が発行されていますよ)。