1/19◎入荷のお知らせ 「青踏」と富本一枝(尾竹紅吉)

日本の手芸本・絵本、DMCの手芸辞典など入れました。

DMC 手芸百科事典『Encyclopedie des ouvrages de dames』
『お母さんが読んで聞かせるお話AB』二冊セット藤城清治サイン入り
『手あみ模様編880集』 かぎ針編 棒針編 アフガン編
『フェアアイル・ニッティング』 佐藤ちひろ

今日入れた『お母さんが読んで聞かせるお話 AB』は暮しの手帖社から出されていた本です。
作者の富本一枝さんは、明治の終わりごろ、平塚雷鳥などによる女性誌「青踏」のメンバーのひとりでした。当時の名まえは「尾竹紅吉(べによし)」。
18歳で憧れの「青踏」に参加し、吉原に登楼したり、恋人だった雷鳥が男子(のちの夫・奥村博)に走ったのに怒って騒動をおこしたり、自由奔放というか後先考えずというか、おそらく若かったせいもあるのでしょうね(いいことです)。激しく情熱的な「新しい女」としても知られていました。
その後、陶芸家の富本憲吉と結婚するも、結婚生活はうまくいかず、ふたりは長い間、別れて暮らします。しかし一枝は離婚をせず、亡くなるまで憲吉の妻であり続けました。

女性問題や歴史に詳しくない人でも、おそらく名前だけは知っているこの「青踏」。
じつは創刊号の発行部数は、わずか1000部。今でいうミニコミかリトルマガジンほどの少部数でした。
思い切って投げたちいさな石が、次第に大きな波紋となり、世界を変えていく。ほんとうに刺激的なモノやコトは、もしかしたらほんの小さな、でもたいへんに情熱的な仲間やグループから始まるのかもしれず、それを思うと、いつもじんっとします。

さて、今週末は晴れるかしら? どうぞよい週末を。