24 April 2015 春

桜が咲き始めたとラジオがいいました。「北海道では例年にない早さ」だそうです。

そういえば、東北に住んでいたとき、初めて来た春がそれまで知っていた春とずいぶん違うのに驚きました。
長い冬の間、あたりの畑や田んぼや山は、眠っているように静かに見えました。どこを向いても灰色やワラ色や茶色ばかりのある意味、荒涼とした風景が広がっていました。

それがあたたかくなり、桜が咲くころになると一気に変わります。
ピンク色、きみどり色、黄色、この世にある、ありとあらゆる色のなかでも、最もきれいでみずみずしい色があちらこちらから噴水のようにあふれ出し、山や畑がみるみるうちにキラキラと華やかに変わっていく様は思わず息をのむようでした。

あの春のことを、この時期になると、ときどき思い出します。